霜川菜月

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君と見上げる月


駅のロータリーで君を乗せると、
やけに明るい車内に気がついた。

「今夜も...月が綺麗ですね」

ハッと僕の顔を見る君。
そして僕と同じように君も月を見る。

「しんでもいいわ」
「しんだらいけない」

食い気味に言った僕に、
豆鉄砲をくらったような顔の君が
あまりに可愛くて笑ってしまった。

ちょっとふてくされる君の右手を握る。
照れながら握り返してくれる君。

「少しドライブして帰ろうか」

月の光に照らされて、
アクセルを踏めばどこまでも行けそうな気がした。

9/14/2025, 12:13:48 PM