コヤ

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No.40:秘密の場所
#人外Rさんと、人外Dさん

※と、__さんまで続く時は、”と“の後に続く人の視点です(今回の場合だと人外Dさん)


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鼻を掠める木々の匂いを振り切るかのように、
夕暮の差す見慣れた林道を、足早に進んで行く。

自分でも、よく分からない。
別に急ぐ理由も、何も無いはずなのに
何かに突き動かされる様に、進んで行く


「?あ!○○殿!」

すると、目的地に着くと、
何時もの場所に、何時もと変わらない笑顔を浮かべ、こちらに手を振る彼奴が居た

「...珍しいね、こんな時間に来るなんて__」
「□□」

ツラツラと言葉を並べようとしているのを他所に、俺は思いっ切り彼奴に抱き着いた。

「...」

それに特に声を上げることも無く、此奴は抱き着く俺の背中に手を回した。

「......○○殿、大丈夫だよ」

ここには誰も来ないから

...普段の自分からは考えられない行動なのに、何をしに来たかも分からずモヤモヤしていたのに。
此奴の温い温度に、優しい声色に、全て溶かされた様な気がした。

「...すみません」
「なんで謝るの〜」

抱きしめる力を強め、口だけの謝罪を零せば、笑い飛ばす様に返される。

...心地良かった
ここに来れば、なんでも受け止めて貰えるような気がして
誰にも見られず、何も聞かれず、ただ身を委ねさせてくれるから



とある森の、奥深く。
誰も居ない、此奴と二人だけの空間で
俺は抱き着く力を強めたのだった


























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誰にも見つからない、秘密の秘境を作って良かったと思う
最初は嫌がっていた、最初は「一生来ない」等と豪語していた。

けれど今では、何かと出入りしてくれるようになった。

ここに居れば、ここに来れば
彼は、僕にしか見せない弱い一面を見せてくれる

それが...僕は堪らなく嬉しかったのだ

3/8/2025, 11:14:14 AM