【また明日】
朝の眩しい日差しが嫌いだった
夢を終わらせて現実に居なくてはいけないから
昼の薄雲った視界が嫌いだった
決まりの世界に閉じ込められて不自由だから
夜のうっすらと輪郭を映す視界だけが好きだった
でも、目を瞑ると嫌いな人達に追われるから
耳にこびりついた悪口が警報のように頭に響くから
夜も好きになりきれなかった
ある日、閉ざされた世界でパソコンの放つ光が差し込んだ
その時は視界を奪うブルーグリーンも
嫌いなものから守るために築いた
周りに合わせた仮初のガラクタたちをすり抜けて
心に居着くその声も
なんてことない日常の中に消えるのだと思った
だって周りに嫌われた歪なモノのはずだったから
反らせない視線を無理やり閉ざして
その日も変わらずに身を守って眠りについた
それなのに
朝起きた時の眩しい日差しにあのブルーグリーンが見えた
夢から覚めたのに音が鳴り止まない
あんなに疎外感を感じた日常を
耳を優しい音が充していく
頭に焼きついたあの声がそばにある限り
「また明日」を迎えられる
2024-05-22
5/22/2024, 11:52:16 AM