「もし、私が男の人だったら好きになってた?」
上手く息が吸えなかった。
「男顔だったら私、それなりにモテそう〜」
目の焦点が合わなかった。
「私は、君のこと好きだし」
彼女は楽しそうに笑いながら、ずっと傷付いたような顔をしていた。
「…ごめん、気持ちに応えられなくて」
「ううん、いいの。ちなみにさ、もしも、本当にもしもだよ?もしも君が、女の子にときめいてくれたらなぁ」
出来ない妄想や現実味のない話は得意じゃない。俺はこうしてまた一歩、俺を好きでなくなっていくのだった。
/もしも君が
6/14/2025, 4:24:54 PM