題:お楽しみ
「ロゼッタは、もしも未来が見れるなら、見たいかしら?」
そんな質問を投げられた。
「未来が見れる……ですか」
「ええ、私は見てみたいわ」
ピーチさんは真っ青な空を見あげながらそう言った。
どんな未来を見たいのでしょう。
「どんな未来をですか?」
「そうねぇ……やっぱり、結婚してるのかとか」
「結婚したいんじゃないですか」
「えへへ」
マリオさんへの気持ちは、ずっと変わらないと思う。友達を大切にする気持ちも。
貴方はそういう人だから。
「そう言うロゼッタはどうなのよ」
ですよね、気になりますよね。
「私は、見たいとは思いませんね」
「あら、どうして?」
想定内の反応。やっぱり皆さん、未来は見てみたいんだ。
私の答えは少し変わっているみたい。
「だって、未来を知ってしまったら、その後がつまらないじゃないですか」
少なくとも、私はそう思った。
「つまらない?」
「はい」
ピーチさんはきょとんとした顔になる。
「人生、何が起こるか分からないじゃないですか。それを知ってしまったら、後はそれっきり。起こる出来事が分かる人生なんて、私は面白みも楽しみも見出だせません」
「……」
ピーチさんは、真剣に聞いているように見えた。
やがて、口を開いてこう言った。
「そうかもしれないわね!目から鱗が落ちるとはこの事ね」
納得したような顔をした。
「ロゼッタの考えを聞いて、私も未来は見ない方が良いって思ったわ!何が起こるか分からない方がワクワクするものね!」
パアッと明るくなる顔。
その顔は、妙に頭に残った。
「やっぱり、人生は楽しまなくちゃ損ね!」
清々しい顔で言ったピーチさんは、席を立った。
「じゃあロゼッタ、また明日!」
「はい、また明日、ピーチさん」
手を振り返して、ピーチさんが見えなくなって下ろす。
(何が起こるか分からない方がワクワクする)
この先の人生、良い方に転ぶか悪い方に転ぶか。
(ワクワクするじゃないですか)
お題『もしも未来を見れるなら』
4/19/2026, 10:51:24 AM