お鳥様が夜空を飛んでいると、灯りの寂しい村の夜景が目に映った。
ここはお年寄りが多く、若者たちは次々と他の町へと移っていき、住んでいる人々は減り続ける限界集落である。
お鳥様は金色の紙で花を折り、その花に優しく息を吹きかけ、空から村にそっと放った。
折り紙の花はくるくると舞い降りふわりと地面に着地すると、そこから金色の花が咲いた。
夜空からのその光景は、とても美しく映し出された。
翌年、その金色の花の隣に、若者の夫婦が戻って来て家を建て、子どもを産んだ。
しかし何年かが過ぎ去り、
若者夫婦は再び村を後にしてしまった。
それでも、金色の花はその数を増し輝き続け、美しい夜景が村を照らし続けている。
「夜景」
9/19/2024, 4:51:40 AM