藁と自戒

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窓を開けると、春の匂いが顔を出す。
部屋は匂いで充満し、心地よい気分になる。
よし、今日も良い1日になりそうだ。

母に行ってきますの言葉を交わし、学校への道を辿る。
まだ日が登る前の、少し肌寒い通学路。
眠りが覚めたばかりの、
朝自宅をする街の空気を感じる。

「よっ!」
後ろから子気味良い足音が近づいたと思ったら、
肩に衝撃をうけた。今日もいつもと同じ。
「なんだよ、毎朝殴るなよ」
流石に女の子の肩を殴り返すわけにはいかず、
彼女の背負ってるリュックを軽く小突いた。
「やったなこのやろー」
「さきに殴ったのはそっちたろー?」
しょうもないやり取りをしながら通学路を進む。

腐れ縁とでも言うのだろうか小中高と一緒だった。
だんだんと同じ時間を過ごしていくうちに
君が気になりだした。でも、今更おそいんだ。
今更恋になんて発展しない、深すぎる友情と、
この関係を壊したくなくて、今日も。
今日も2人で一緒に友達として、今日も。

#何気ないふり

3/30/2023, 12:13:19 PM