よつば666

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お題『太陽の下で』

 夏休みが始まった初日、僕は学校に来ている。
夏季補習生と全く別の理由で僕は今、補習を受けている最中だ。

夏の照りつける太陽の下で、僕はプールサイドで準備運動をしていた。体力の無い僕はこの準備運動だけでバテてしまいそうになる。

何故、僕がプールにいるかというと、体育で水泳の授業の時運悪く夏風邪を引いてしまい、出席日数が足りなかったのだ。補習人数は比較的少なかった。
まぁ、無料でプールに入る機会は滅多にない。何より水の中だから陸上に比べて暑さも少し和らぐので体調が万全な生徒は出席していることが多いので男子で補習を受ける生徒は少ないのが理由だ。

プールの1コース目で僕は平泳ぎをしていると、プールサイドから声が聞こえる。25m泳ぎ切った後僕は、一度プールから上がると目の前にガタイのいい男性が仁王立ちしていた。そして僕に声を掛けた。

男性「君、息継ぎしないのかい?」

僕は下を向いたまま答えた。

船星「う、上手く出来なくて……」

男性「それは危険だな、少し休憩した後教えてあげるよ」

その男性は半ば強引に船星に息継ぎ法を教えた。
休憩中に話を聞くと船星より2年上つまり3年生の水泳部部長をしている。午後から部活で使う為午前中は準備に来ていたのだ。

水泳部部長「明日も、補修で来るのかい?」

船星「あ、はい。」

水泳部部長「そうか、じゃあまた明日な!気をつけて帰れよ」

船星「は、はい。ご指導ありがとうございました」

船星はその先輩に向けて深く頭を下げた。
夏の太陽の下で、汗をかきながら船星は家路つくのだった。

End

11/26/2024, 8:04:46 AM