Ryu

Open App

「空が泣く」か。
なんか好きな言葉だな。
空を擬人化するのは壮大な試みな気がする。
空が泣いたら街は雨降りなのだろうか。
それとも、泣き声を轟かせて雷かな。
さめざめと泣いたら梅雨の季節を思うし、人知れず泣くのなら、深夜にしんしんと降り積もる雪のように。
夏になれば、まるで号泣のように荒れ狂う台風がやって来る。
悲しみが去れば、温帯低気圧となって、嵐過ぎ去りし後の穏やかさを取り戻す。
空って感情豊かだな。

だけど、本当に空が泣くようなことがあれば、それは地球の一大事なのかもしれない。
いつだってちっぽけな私達を包みこんで、どこまでも青く広がる大空が泣き出すような事態は、何か取り返しのつかない惨事を引き起こすんじゃないだろうか。
泣くのは悲しいからだと思うし、あんなに大きな存在の悲しみたるや、それこそ地球規模な気がする。
いや、具体的にどうなるのかは想像できないが、例えば、悔し涙が塩辛くなるように、空が機嫌を損ねて酸っぱい酸性雨なんかを世界中に降らし続けたら、これは怖いことになる。
「ACIDE」みたいに。

観てもいないので番宣をするつもりはないが、なんか世界的にエライことが起きる映画らしい。
こんなのは勘弁して欲しいな。

大空よ、泣かないで。
元気出して。明日はまたイイことがあるよ、きっと。
会社帰りの歩道で空を見上げ、少しオレンジが残る吸い込まれそうな空間に想いを投げる。
「空が泣く」…か。
夜が来て、この空に星が瞬けば、それはまたキラリと光る涙のように、なんだかカッコイイ演出となるだろう。
空って役者だな。
泣きの演技が上手い役者は売れるって、誰か言ってなかったっけ。
脈絡も筋もなく、突然号泣が始まるゲリラ豪雨なんかはやめて欲しいけど。

あ、脈絡も筋もないのはこの文章だった。
まとまらないので、無理矢理の俳句でシメ。
「空が泣く それは私の 涙雨」

9/16/2024, 2:23:35 PM