迷って蹲っていた僕に彼女は手を差し伸べてくれた。
「私についておいで。」
天使みたいな彼女は僕を色んな場所へ連れて行ってくれた。彼女はずっと小さいはずなのにたくましく見えた。そんな僕は手を引かれるがままだった。彼女が見せてくれた景色は壮大で絶景だった。僕はその景色に息を呑んだ。目を輝かせている僕のとなりで彼女はニコッとして言った。
「ここは私の好きな場所なんだ!気に入ってくれて何よりだよ。」
その時間は今も鮮明に覚えている。
僕もそんな風になりたい。
だから頼ってばかりの自分はもう終わり。
今度は僕が彼女を引っ張っていきたい。
僕もっと頑張るよ。
かっこわるくたっていい。がむしゃらでいい。
手を引く側はどんな景色だろう?
誇らしい?頼もしいかな?
わからない、でもきっと彼女は喜んでくれるはずだ。
だって僕たちの冒険はここから再び始まるのだから。
「終わり、また初まる、」
3/13/2025, 12:34:11 AM