語り部シルヴァ

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わたしはひとりが好きだ。
登校、休憩時間、放課後...
どんな時でもひとりが楽だからだ。

ある日私に付き纏う人が出来た。
登校も休憩時間も放課後もずっと隣にいる。

なぜ着いてくる?そう質問すると
あなたが一人でいるのに理由があるの?
と逆に質問された。
楽だから...そう答えようにも答えれなかった。

無いと答えるとあなたと一緒だ。と笑う。
そんな夏の太陽のような笑顔は私には眩しすぎた。
なんだかんだそんな日々が好きになっていた。

それがずっと続くと思っていた。
だがその人には恋人ができてずっと2人で
一緒になった。

わたしはまた一人。
今までひとりだったのに何をしても虚しい。
その時、あの人の質問の本当の答えを見つけた。
こんな寂しい思いをしたくなかったからだ。

その場に屈み、必死に涙を隠した。
だから、一人でいたかったんだ。

語り部シルヴァ

8/1/2024, 4:22:41 AM