ひそかな想い
大切な想いの箱の中に新しい想いがひとつ増えた。
小さな、小さな、ひそかな想い。
でも少しづつ、少しづつ大きくなってきてしまう。
邪魔な想いだ、いらない想いだと隠そうとする。
それでも大きくなって、大きくなって、ついには箱の中に収まりきらないほどになってしまった。
これでは箱が想いに置き変わってしまう。
どうしようかと思案した末、少しづつ、少しづつでも小さくしていってしまうことにした。
それまでは何とか箱に包んで、隠して。
隠して、隠して、隠して。
そして、やっとの思いで幾分か小さくすることができた!
ここまで小さくできたのなら、このまま消してしまおう。そう、思った。
だから───
だからどうか、見つけようとしないでくれ。
そんなに必死に、大切な失くしものを探すかのように探さないで、見つけないで。
あぁ、駄目だ。
また、大きくなっていってしまう。
今度は少しづつなんかではいてくれない。
──────
ついに、収まらなくなった。
でも、もういいんだって。
箱、とびきり大きなのをやるからって。
ふふ...もう、中身はいっぱいで、ぎゅうぎゅうかもしれないけれどね。
2/21/2025, 7:53:41 AM