ある人に問われた。
『当主は、あなたにとって、どんな人ですか。』
私は、少し考え答えた。
「当主は、長兄は、恐ろしく冷静で、残酷で在りながら、
全てを肯定出来てしまう人だと思います。」
『と言うと?』
「なんと、言えばいいのでしょう。
例えば、長兄は、あなたは優れていない。
と、その人に面と向かって言えるんです。
しかし、同時にその人に言うです。
あなたは、とても有能な人だ。
と、言える人です。
言いたい事、分かるでしょうか?」
『いや、分からないですね。』
「うーん、そうですね、
長兄は、理解しているのだと思います。
自分は、その人が優れていないと感じていても、
その人が周囲に波紋のように、良い影響を与えている事実を発見し、
それを事実として認められる。
例え、自分の理解が及ばないからといって、
その人が優れていない訳では無い。
自分が気付けていないだけで、その人は優れている。
これが事実だと、これこそが現実だと、当然のように受け入れる。
それが、長兄は出来る人なのだと思います。
どうでしょう、伝わりましたか?」
『今、やっと分かりました。』
「それなら、良かった。
私は、これこそ、長兄の良さだと思っていたので、
伝わったようで嬉しいです。」
1/18/2025, 1:04:05 PM