『それでいい』
自分が今、将来のために自分のために、何をするべきなのか、何をした方が良いのか、何となく理解はしているつもりだし、ある程度想像もついている。それでも、そういうことが頭を過ぎるたびに、やらない理由ばかりを探してしまう。
こういう時に、どうしようもなく自分は人間なんだと自覚させられる。
ああしたいこうしたい、という気持ちに身体が心が打ち勝てない。
理想を描く頭と、そこに追いつかない心身。そのちぐはぐな状態を、もう一人の自分が冷めた目で見つめている。時計の針だけが容赦なく進んでいく部屋の中で、ため息とともにベッドへ深く沈み込んだ。
「今やらなければ、後悔するのは自分だ」
「わかっている。でも、今は動けないんだ」
そんな堂々巡りの対話を何度繰り返しただろうか。結局のところ、私はただ疲れているのかもしれない。目に見えない将来への不安や、誰かと比べて焦る気持ちに、すっかりエネルギーを吸い取られてしまっているのだ。
スマートフォンの画面を無意味にスクロールしながら、ふと思う。
いつから私たちは、常に何かを成し遂げ、前進し続けなければならないと信じ込まされてきたのだろう。立ち止まること、怠けること、やらない理由を探して逃避することは、そんなにも罪悪感を抱くべきことなのだろうか。
どうしようもない弱さを抱え、矛盾に満ちているからこそ、人間なのだ。
機械のようにプログラム通りに動けないからこそ、そこに自分という確かな形がある。
今は無理に立ち上がらなくてもいい。
やらない理由を探して、毛布にくるまる日があってもいい。
焦燥感に苛まれながらも、ただ呼吸をしているだけの自分を、今は許してやろう。
いつかまた、自然と心が動き出し、足が前に出るその時まで。
焦らずに、ただ静かに目を閉じて。
それでいい。
4/5/2026, 7:26:29 AM