小音葉

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衝撃、
手の甲を叩く軽い反発
屈する硝子は悲鳴を上げて砕けて
喘ぎ苦しむ細い腕
その声は聞こえない

透明が腐る前に掬い上げる
ごめんね、わざとじゃないの、と呟いて
伏せる目は虚空を見つめる
遠くへ
何処か遠くへ
知らず、握り締める

砕ける
割れて落ちる
あんなに大切にしていたのに
転がれば床を汚す血溜まりとなる
もう帰らない
分かっているけれど、強がって吐く息が震えた

(嗚呼)

3/9/2025, 11:43:17 AM