葉月

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「好きな色」

 『色の導き』は、どこかの古本屋で手に入れた。カラーセラピストの泉智子氏の著作で、色の奥深さを知るきっかけとなった。そして私自身も泉氏の系列とは別のカラーセラピストの資格を得ることになった。他にも、いくつか資格を持っているものの、それらは、それぞれの世界の門をくぐったに過ぎず、何も知らない人よりは、少しわかる程度のものだと自認している。
 色は、その人の心を映している。生まれや住んでいる場所、文化の影響も受けているし、個人的な体験、トラウマ、性格など、いろいろなものが映されている。ここで詳しく色について語るのは、やめよう。私達が色と呼ぶものは、可視光が人間の目に入り、色として知覚されるものだ。それだけ理解しておいて欲しい。
 いま、私が一番好きな色はグレーだ。好きな色という定義の中に本当に入る訳ではなく、お気に入りの色と言うのが正しいかもしれない。グレーは白と黒の中間色で、白も黒もグレーも色彩を持たない。つまり無彩色だ。その中でもグレーは白と黒の間で自由な濃淡で時には淡く、時には濃く自在である。心理的には(個人的には)好きでもなく嫌いでもなく常に揺れている境界のなかにある色、例えば仏教の中庸の考えに近いと私自身は考えている。つまり正しい答えはなく、在るのはその瞬間の最善があるのみである。私のいまの心情に叶う色である。
 私の好みはさておき、場面場面で心理的な支えとなってくれる色はたくさんあるので、グレーだけでなく、いろいろな色を生活の中で取り入れている。あなたも、カラーセラピストに相談したり自分自身で調べてみると楽しいかもしれない。 

注意⭐︎推敲を加えました。

6/21/2023, 10:55:53 AM