子供の頃、飼い猫のニャーコが病気になりまして。
相当危険な状態になり、幼い私は愛猫との別れを覚悟して涙を流しました。
これでお別れだと、そう思ったのです。
今まで過ごしてきたニャーコとの楽しい楽しい日々を思うと、悲しくなって堪らないのです。
結局どうなったのかと言うと、ニャーコは死にませんでした。
奇跡的に息を吹き返して、病気も完治して、元気に家の中を走り回ることも出来るようになったのです。
正しく奇跡。
嗚呼、もう一度その奇跡が起こってくれと、私は願うことしか出来ません。
幼かった私は成長して、大人と呼ばれる年齢になりました。
もともと大人の猫だったニャーコも、年を重ねて、今や立派な老猫でした。
老いとは怖いものです。あんなにやんちゃだったニャーコは老いて、自分の意思で寝床から身体を起こすことすら叶わないのですから。
奇跡よ、どうか。
愛しのニャーコが若返るなんて、そんな願いは叶う訳がないのに、私は願わずにはいられないのです。
『奇跡をもう一度』
10/3/2024, 6:16:58 AM