もうずっと世界が終わった後の時間を生きてる気分でいるけど、未だに私は寝て起きて息をしてるよ。
あの頃は世界の全てが色鮮やかで人のカタチが美しくて、毎日美術館の中を歩いてる気分だった。だから私はあんなに怯えていて、辛くて怖くて逃げ出したくて、路傍の石の裏っかわに紛れ込もうと躍起だった。それがある日、観光地の望遠鏡みたいに時間切れで暗転したのは覚えてる。きっとあそこは世界の果てで、私の世界の終わりだったんだろうね。
私はそれ以来、狭い世界の卵の殻に独りでずっと篭ってるけど結構気楽で静かで気に入ってるの。この世界も終わるとき、私も鳥になって神に向かって飛ぶから、そのときはまたあなたと積もる話がしたいと思うの。
『世界の終わりに君と』
6/7/2024, 3:46:21 PM