涙を湛えた空に囁く
まるで、指先で容易く払える霜
あるいは、知らぬ故郷を目指す雛のような
それは他愛のない約束
あなたは律儀に数えるけれど
陽だまりの声が、纏わり付く影を焼く
焦げた記憶をまだ知らないのね
変わらないでいてほしい
同じ暗がりに身を寄せていたい
相反する心が、あなたへ結ぶ
霧に満たされた緑の海
鏡のように澄んだ湖
私はずっとここにいる
心を恐れた終の棲家
孤独に慣れた哀れな鳥を
それでもあなたは鍵を開ける
遠い昔に繋いだ心
思い出を包むロールケーキ
隠した恋すら巻き込んで
甘く甘く、時を刻んで
針が頂点を指す頃、二人は永遠を誓うから
残された月はフォークを乗せて
たまの夜更かし、楽しむのでしょう
梟が鳴く
朽ちた城にはもう誰もいない
(sweet memories)
5/2/2025, 11:53:54 AM