善悪の判断というのは、どうしても暮らしてきた環境、関わってきた存在に大いに関与してしまう。
「ねえそこのお兄さん、邪魔だからそこをどいて欲しいんだけど」
「お前が通れないだろうが、俺は困らない、だからどけない」
ひとを甘やかすという行為は、他のすべての人に説明の枷をつける行為に等しい。
「ねえ!どいてよ!そいつを頃さないと気がすまないんだ!なんたって僕の悪口をいったんだヵら!僕のトモダチからきいたヨ!オマエも死にたいのカ?」
「どかない。俺は俺の為に此処に居る。こいつは関係ない。」
「………」
銃声が鳴り響く。
そこに佇むのは民の希望を背負っていた男だ。いつこの圧政を翻す力となる筈だった。
希望は潰えた。そう笑い去っていく五月蠅い服着た者共たち。自分が正義とでも思っているのだろう。
「………」ザッ
「………まだいけるか?」
「ちょっと頭を擦りむいただけだ。」
さあ反撃だ。本当の悪を見せてやるよ。
4/26/2024, 1:13:59 PM