三羽ゆうが

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歩く。ひたすらに。

真っ暗な砂利道を突き進んでいく。後ろから聞こえる仲間達の足音。

「船長、まだ行くのですか?」

「この先にお宝があるかもしれんじゃろ」

「しかし……」

不安な顔を見せる船員達。道を進めば進む程徐々に聞こえる足音が減っていき、ざくりと砂利を一際力強く踏みしめて後ろを振り向けば、自分に話しかけてきた船員1人になっていた。

「船長」

「……皆居なくなってしまったな」

「僕もここまでみたいです」

「おう、お疲れ様じゃな」

「お先です」

船員の姿がふわりと消える。この道の先には何も無い、そんな事は初めから分かっている。もう既に自分達はこの世の者ではない、そんな事は分かっている。

「……もう少し、皆とまだ知らない事を知りたかったのぉ」

真っ暗だった空間が歪み、バシャリと音を立てて体が水の中へ沈んでいく。

深く、深く、真っ暗な空間に沈んでいく。


自分達の未来の先には何があったんだろうなんて少し考えて、そっと目を閉じた。


『この道の先に』

7/3/2024, 11:02:05 AM