サチョッチ

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画家の彼女に聞いてみたことがある。
「いつも君は数えきれない数の色を使ってるけど、どの色が一番好きなの?」
すると彼女は決まって答えた。
「自分色。」
それを聞いた私は意地悪く尋ねた。
「じゃあ君の色って何色?」
彼女はそれに対し平然と、どこか得意げに答えた。
「その日の気分で気まぐれに出来た色。絵の具は選んだ色と混ぜ具合で何色にもなるでしょ?それでいつも出来上がる色が毎回違うんだけど、それってなんだかその時々の自分の心が反映されてるみたいでさ、自分そのものみたいに見えるのよね。」

君はいつも"天才"みたいなことを言うな。

#好きな色

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❖昨日のお題

降りしきる雨音を聞くたび、燃える羽の鳥は思い出す。みなし児だった自分を餓え死に寸前のところで救い出したのはあの人だった。天井から落下したあの人が自分の命を繋いでくれた。みすぼらしく弱っていた自分も、今やこんなにも神々しく立派な翼を携えて、光さえも焼き尽くす敵なしの業火を繰り出す力まで身についた。鳥は主と慕う男に日々使い魔として従う。肉体をなくして尚確かな存在を保つ彼へ、鳥は精一杯の忠誠心を以って尽くす。男と鳥は互いを自らの半身のような心で、無限の夜を生きていく。

#あなたがいたから

6/21/2023, 11:04:51 AM