圧倒的にペンギン

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【一筋の光】

今日はバイトの日。
私はかれこれ10年、十円玉を磨くバイトを行っている。

作業は単純で十円玉を磨くだけ。
ただし道具は使わない。
舌で舐めて綺麗にするのだ。
両親には高度な技術を要する清掃業務だと伝えている。

「レロレロレロレロレロー」
私は床に這いつくばって十円を舐めまくる。
当然楽な仕事ではない。
病気になる者もいるし、十円を喉に詰まらせて死ぬ者もいる。
こんな過酷な環境に耐えられたのもひとえに私が十円玉を愛しているからだ。

─話は10年前に遡る
(中略)

かくして光り輝く10円玉は私の人生に喜びをもたらしてくれるのだ。

「愛があれば何でも出来るのさレロレロレロレロレレロレロレロレロ」

ところが、

「ぎゃああアアアアアアーーー」
舌に衝撃が走った。
見るとなんと5円玉が混じっていたのだ。
十円玉を愛しすぎた私の身体は他の硬貨を受け付けなくなっていた。

十円玉を裏切った私は全身から血が吹き出し即死した。

11/5/2023, 10:29:39 AM