テーマ《春爛漫》
あの震災の日を思い出す。
君は僕を助け、代わりに死んだ。
、、、あの日から僕は小さな神社に通っている。
森の中にある、小さな石でできた神社。
今日も僕は此処にお祈りに来た。
『君がみつかりますように』
ボクは目を開け、鳥居をくぐる。
『今日はもう帰ろう。』
すると後ろから君の声がした。
すぐに振り向くと、君がいた。
『やぁーっとみつけた』
「、、、ごめんっ!」
ボクは自然と涙が出た。
泣いてうずくまるボクに君は手を差し出し、強く腕を引いた。
「え?」
ボクは立ち上がると、君は言った。
「此処には誰もいないんだ。さ!踊ろう!」
ボクは君にされるがまま踊る。
リズムも何もない、ただ両手を繋ぎぐるぐる遊んでいるような、、僕はだんだん楽しくなり、二人で踊る。
2人だけの、いや、僕だけの空間で。、
桜はもう咲き乱れていた。
4/11/2023, 9:53:58 AM