光と闇の狭間で
「ここは光と闇の狭間だよ」
ここはどこだろう。
確か、学校に行く途中車にはねられて⋯
そこからは思い出せないや、
綺麗な青空に、広い花畑。
かまくらのような形をしたものが建っていて、中には鏡のようなものがある。
遠くにはポツンとお茶会に使われそうなガーデニングテーブルと、イスがある。
「おはよう!調子はどう?」
え?誰?
「私はここの案内人!如月すずはだよ!」
案内人ならここがなんなのか知っているかもしれない。
「ここについて知りたいのね!話してあげる」
どうやらここは光と闇の狭間らしい。
そして、私の名前は古宮 雪(こみや ゆき)
かまくらのようなものは夢ドームと言うらしい。
そして、夢ドームの中の鏡は記憶の鏡だといいう。
そして、この世界にはタイムリミットがあるらしい。
タイムリミットは10時間
タイムリミットの10時間以内に契約書を書く必要があるとすずはが言っていた。
気づいたら私の手には「契約書」という紙があって、光と闇と狭間の文字。そしてサインをする欄があった。
どうやら契約書の光と闇と狭間は場所を示すらしい。
狭間はここの事だろうが、光と闇が分からない。
この契約書の光、闇、狭間のなかで自分が居たい場所に丸を付け、サインを書いて紙を破ると契約成立らしい。
突然手にあった契約書を眺め、すずはの話を反芻している間に、すずははどこかへ消えていた。
どうせなら夢ドームへ行ってみようと思い、歩いてみることにした
「ついた、」
夢ドームの外には看板が着いていて
「古宮雪さま?」
ドームの中に入って記憶の鏡を覗いてみると、
私がいた世界の様子がみえる。
私の嫌な記憶が見えてきた。
私は虐められていた。親からも失望をされ、疲れ果ててフラフラ歩いていたところ、気づかずに車にはねられた。
「いやだ!」
これは闇だ。私にとってあの世界は闇だ。
では、光はなんだろう。本能的に光は天国だと思った。
闇に行けば地獄の世界。光に行けば何も分からないところでひとりぼっち。
私は手に持っていた契約書の狭間に丸を付け、サインを書いて紙を破った。
私は光と闇の狭間の案内人になった。
私はたまに記憶の鏡を見に行く。
いつ見てもベットで酸素マスクを付けて横たわっている私と哀れな目で見つめる両親がみえる。
ちりりん
「あ!きたきた」
「ここは光と闇の狭間だよ」
12/2/2024, 2:58:48 PM