しみる♪

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【トキ】



水面に浮かぶ花一つ寂しそうに波紋を奏で
山頂から顔を覗かせた朝陽が街を起こした
冷めたアスファルトの上に集う人々は
限られた時のなかで何を失い何を掴むの
誰もが転びキズを抱えながら
また前を向いていくのだろう
忙しなかった一日さえ明日には忘れて
二度と戻らないあの波紋さえ見えなくなって
やがて沈みだす夕焼けに
仲睦まじい老夫婦の影が道を描き知る
時は待ってはくれないのだと
世界に光が差して小さな花が咲くように
遠く広い世界のどこかでは
初めて光を浴び震えながらあげる産声を
涙を流して抱きかかえる母の姿
答えなどなくてもそれ以上の意味を
今はまだ知らない未来にはきっと
沢山の幸せがあると信じたい
水面に浮かぶ花一つ寂しそうに波紋を奏で
また一つまた一つ混ざり奏で
いつの間にか周りには沢山の仲間が集うように
とどまることのない時のなかで繋がる物語



4/19/2025, 9:06:40 AM