向かい合わせ、2人の自分。
一体どちらが本当の私なんだろうか?
乱暴で柄の悪い私が叫ぶ。
「人間は所詮獣だ。本能の儘に赴く俺が本当の姿だ」
穏やかで愛想の良い私が、それを否定する。
「いいえ、人は誰しも心の奥底で慈愛に満ちています。私こそ真実です」
歪み合う2人であるが、
正直、私はどちらとも本当の私であると思っている。
私がそうであるように、きっと他の人もそうなんだと思う。
そう考えるようになってから、
ずっと窮屈に感じていたこの世界が、ほんの少しだけらくになったような気がした。
8/26/2024, 3:15:19 AM