『まだ続く物語』
誰にでも、死は訪れるものでございます。
そしてそれは避けられない。
そうわかっているのに、死んだ後どうなるのかは誰も知らない。
不思議なものでございますね。
神話に描かれる死後の世界は、そんな人々の恐れや期待によって生み出されたのでございましょう。
宗教の教えによくある死後の裁きというものは、善なる生へ導かんとする知恵なのでしょうが、死後に裁くくらいなら生前悪人をとっちめて欲しいものです。その被害を受ける者がいるのですから。
天国、楽園、極楽浄土。
そこへ辿り着いたその先は、はて、いったいどうなるのでありましょうや?
そも、善人とはどこまでの者を指すのでしょうか?
日々の鬱憤や鬱屈、妬みに嫉み。
誰かを恨んだり、恨まれたり。
小さなことで一喜一憂し、己の境遇を嘆いてやさぐれるのは、善人から外れるのでしょうか?
常に前向きに、直向きに、朗らかに?
清く正しくあらねば、失楽園とあいなるのでしょうか?
おや?
それでは、今とそう変わらないのでは?
5/31/2025, 7:16:22 AM