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 満員の電車に揺られて、最寄り駅に着く。扉が開くと、人がぶわっと押し出されるように降りていく。足並みを合わせて外に出ると、ふわっと新鮮な空気に包まれる。少しほっとしながら改札を出る。

 家までの道を歩きながら考える。気になることがある。何となく一人反省会が始まった。自分の歩調に合わせるように、一つ一つ色々な場面を思い起こす。どうすればよかった? 

 気がつけば、周りには人がいなくなっていた。大きく伸びをしてみる。上を見ると、空の下のほうに三日月がポッとあった。大きい。まるで作りものみたいだ。何だかわくわくしてきて、それまで考えていたことも、仕方ないかと思えてくるのだった。

「三日月」

1/10/2026, 7:13:32 AM