おばあちゃん。
おばあちゃんが縫ってくれた赤い服、大好き!
「大切に使ってね。」
『うん!』
大事に使うよ!
「それじゃあ、行ってくるよ」
『どこいくの?』
「ちょっと、買い物に。」
『私も行く!』
昔は、鬱陶しいくらいおばあちゃんが好きだった。
───今になると、恥ずかしい。
5年前。
私が小学二年生の時のこと。
『おばあちゃん?』
『おばあちゃん、おーい!』
擽ってみると、びっくりする位 体が冷たかった。
『おばあちゃん?おばあちゃん…』
仕切りに目を擦る私。
これは夢?それとも、ドッキリ?
亡くなるおばあちゃんを受け入れられず、冗談だと信じ込んだ。
『そう…だよね。私ったら。』
でも、次の日になってもおばあちゃんは起きない。
『おばあちゃん…私、死んじゃうよぉ…』
私は、3歳の頃、おばあちゃんに預かられた。
おばあちゃんは優しくて、甘えていた。
───起きてよ。
私が周りに助けを求める。
男の人が、救助隊をよんでくれた。
おばあちゃんは運ばれた。
私は、泣きながら見送った。
その男の人が、私を引き取ってくれた。
名前は、「綾斗」って言うんだって。
2年後、お墓参りに行った。
おばあちゃん。まだあの赤い服、大切に使ってるよ。ほつれているけど、不器用な私の手じゃ直せないやwほつれた「赤い糸」を持ち、墓にそっと添えた。
赤い糸、大切に使ってね。
なんて、照れくさい。
でも、私は嬉しかった。
『おばあちゃん、また逢おうね』
物 語
それが、私の13年間のストーリー。
6/30/2024, 12:07:40 PM