『カーテン』
ゆらゆら、ゆらゆら。
風が吹いて、教室のカーテンが揺れる。
涼しい風と揺れたカーテンの向こうから、野球部の元気で活発な声が響く。
たくさんの部員の声の中から、大好きな彼の声を拾う。
ゆらゆら、ゆらゆら。
風になびいたカーテン同士がこすれる微かな音と共に、野球部の大好きな彼の声が聞こえた。
あぁ、なんて幸せな時間。
教室の窓側の一番うしろの席に座り、目を閉じて彼の声を反芻する。
ゆらゆら、ゆらゆら。
彼の声と共に、カーテンがまた風になびいて揺れた。
6/30/2025, 10:55:22 AM