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※直接的な表現がアリ〼

「あいたたた! 優しくしてよ、処女なんだからっ」
「嘘つき。りーちゃんまたセフレ増やしたじゃん」
いたーーーい! と大声で叫ぶりーちゃんの傷口にガーゼを押し付けると、また面白いくらいに鳴いた。
これは一週間に一日はあるルーティンだ。りーちゃんが彼氏に殴られて、私がその傷を手当するだけの、りーちゃんがいつも泣いていて、私がいつも不機嫌なだけの、至ってシンプルなやつ。
「コウガ君ひどいんだよ? デート行こって言ってオッケーしたのは向こうなのに」
「私の前でそのコウガイ君の話しないで」
コウガ君だよー、と涙目で訂正するりーちゃん。何度も聞いたから分かってる。りーちゃんの彼氏がコウガってことも公害ってことも。
「もうやめればいいのに……セフレの方がよっぽどりーちゃんのこと考えてくれてるよ」
私って言おうとして日和った。でもりーちゃんは「れーな」と、私に微笑んでくれる。多分、言いたかったことが伝わってしまった。満足感が羞恥心を連れてきたのは、はじめて。正真正銘の処女喪失に、きゃっと顔を赤らめる軽薄さは持ち合わせていなかった。
大好きなりーちゃん。そんな男殺してあげるから、私と結婚して。

……れーな、私、手当してもらいたいからコウガ君と別れないんだよ。
れーな、私、れーなの事好きだよ。
でもね、れーな、飽き性だよね。
仲良しだから、買った漫画もCDもすぐに飽きて棚に仕舞っちゃうの知ってるよ。
私、れーなのショーケースには並びたくないから
れーなの物にはなってあげない。
【大好きな君に】2024/03/04

3/4/2024, 1:01:49 PM