消さなくてはいけないと、思った。
ちかくにいたら、依存して、ずるずると苦しむことになるって分かりきってた。
分かりきってたから、もっと早くさよならを言わなきゃいけなかったんだ。
「話って、なに?」
唇が震える。
これを言ったら、なにもなもぜんぶぜんぶ、おわり。
言わないで離れようと思った。離れるはずだった。
でも、自分から離れられないから。
離れなきゃいけない状況をつくるしかなくて。
それなのに、「好き」を言ったら嬉しそうに微笑むから
────…ああもう、離れられないじゃん。
─さよならを言う前に─ #39
8/20/2024, 12:39:01 PM