【雨に佇む】
君の吸う煙草の匂いに飽きたから、
アパートの部屋とも言えない小さな部屋から
抜け出したんだ、傘もいらないくらい
雨が浴びたくなって
コンクリートに染みた雨が私のサンダルを
ぐしゃぐしゃに汚れてゆく
上を見上げても下を見上げても灰色
綺麗事を垂れ流したTVショーもラジオにも
付き合いきれなくて、歪んだこの目に
雫はずっと流れ落ちていく
服と肌が、ひっつきそうなぐらい濡れても、
帰る気にはなれなかった
膝を抱えたまま、ずっとそこに私はいた
私だけが不幸だってやめられなくて
ずっとずっと奥の方に汚れが溜まったままで
雨なら綺麗にしてくれるなんて、ガキみたいな
ことは思いやしないけどさ
8/27/2023, 10:45:01 AM