はな

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夕日と一緒に、沈んでしまえ。
「夕日見に行こう」「いいよ」
って、たった二言。
気付けばもう、港に着いていた。
沈んで見えなくなる寸前。
ギリギリセーフなんて笑いあって。
綺麗、なんて言葉さえ出てこないような。
わたしたちには、あまりにも美しすぎる光。
それも、すぐに消えてしまう。
朝が来ればまた日は昇る。
そう知っていても、何故か寂しさが残る。
あなたのこと。ほんとは。
「--だった」「ん? なんか言った?」
この気持ちには、二度と光は差さないけど。
「何も」
一緒に沈んでしまえ。
「帰ろ」「うん」
完全に沈む直前の、淡い一筋の光。
それが、わたしたちの背中を照らした。

4/7/2024, 10:19:14 AM