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絹糸は黒く、少しだけ茶を載せて。

黒瑪瑙も良いけれど、煙水晶の揺らぎも捨てがたく。

しろくやわらかな包みは大きめに。
細かな螺鈿も忘れてはいけない。

中身は白を中心に、様々な赤と、一番外側は黄色系。
それと隙間を埋め合わせるのは青。
自立出来る位にしっかり包みに詰め込んだ薔薇の花。

贈る筈だった白い衣装。
噛み破った指先で唇を飾って。
ゆらゆら燃える小さなカンテラを確かに持たせた。

「もう一度、やり直そう」

奇跡の材料は揃えた。
禁忌の境界は越えた。

川の縁に立ち竦む指を
この手に確かに引き寄せるために。

<待ってて>

2/14/2024, 10:12:24 AM