郡司

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スリル、って喰えるの?…などと思ってしまうくらい、スリルというやつには縁が無い。英単語の意味や用法では、かなり肯定的な意味合いを持って用いられる言葉らしい。私の世代だと、マイケル・ジャクソンのヒット曲「thriller」のMVイメージがかなり影響して、怖さとかホラー要素のまつわる印象が大きいようだ。

一方で、スポーツの試合の後に「今日のゲームはスリリングな展開だった」とか表現されるのも聞いたことがある。ある種の驚きのようなタイトな関心を引きつける、言わば「面白い展開」を見せた試合のときだ。じゃあ相撲の取組にもその言い回しは適用できるんでは?、と想像してみたが…似合わない表現だ。「この取組は非常にスリリングでしたね」なんて言うと、「えっ、いったい何がなんだって? で、どういう取組だったんだ」という感覚に陥る。言葉には、適した使い処があるんだな…と思う。

そして再び考える。日常のスリル、何があるだろう。
私の日常は概ね平穏だ。サプライズは基本的に無い。「スリル」というのは、「心理的底流に楽しみがある」という前提があるそうだから、要介護家族や子どもの健康状態を細かく観察しながらトラブルに対処するを目的とした「タイトな関心」ではベクトルが違う。
うん、トラブルシュートばかりだな。
正しく「スリル」を伴うなにかがあれば、気分転換や発散的なリフレッシュもできそうだけれど、落ち着いて取り組むには「ある程度まとまった時間」が必要になる。私は時間と作業の裁き方が下手なのかもしれない。

日本での「スリル」の意味するところなら、私の日常は「スリルに不足するところは無い」とも言えそうだ。要求されるフレキシビリティ、臨機応変はかなり正義。ぼんやり錆び付くヒマも無い。次々顕れる課題に、解決指向を以てクリアを目指す。幸か不幸か生涯現役の可能性もある。
thrillingだ。 ニヤリ。

11/12/2023, 8:34:43 PM