「まだ続く物語」
貴方と私の物語は終わった。
もう会う事もなく、話す事もない。
もし何処かですれ違ったとしても、きっとお互いに会話もせず、何なら視線すら合わさないだろう。
でも、私の人生の物語は、否応なくこれからも続いていく。
貴方が居ても、居なくても。
私がどんなに辛くても、淋しくても、苦しくても。
時間は変わらずに流れる。
誰の上にも平等に。
私の上にも、貴方の上にも。
そして、貴方の物語も続いていく。
私の居ない、入る余地のない物語が。
私の居た場所に、そっくりそのままあの子に書き換えて。
認めたくないけど、それは事実で。
そして、それを飲み込まないと、乗り越えないと、私の物語はここから進まなくなってしまう。
だから。
私の物語を続けていく為に。
身動き出来なくなった、自分を救う為に。
私が、貴方の物語を終わらせる。
私の、納得の行く形で。
そうしたら、やっと私も新しい物語を始められる。
それはもしかしたら破滅的な道なのかもしれない。
でも、ここで留まって居るよりはマシ。
例え、檻の中に入っても、貴方があの子のモノになるよりは、マシ。
歪んだ狂気に支配された私の物語は、破滅的なエンディングに向かい、まだ続いていく。
5/30/2025, 11:12:30 AM