遠くの街へ(オリジナル)
私は正義感の強い人間だった。
クラスのいじめを見て見ぬふりはできなかった。
先生を味方につけ、いじめられっ子を庇い、いじめ加害者を糾弾した。
しかし、いじめっ子は強かった。
いじめなんてしていない。彼女は消極的がすぎる。嫌なことは嫌と言えばいい。皆について来れない方が悪い。皆迷惑してる。雰囲気悪くしてるのは彼女だ。だから私が皆を代表して言ってやっているんだ、と。
そして、私の事も、庇うというのは本人の反省と成長を阻害する行為だ。本人のためにならないし、あなたは自分が正義の者だと思いたくて、周りにアピールしたくて彼女を利用しているに過ぎないと指摘した。
絶対彼女の方が悪なのに、私は反論できなかった。
クラスメイトの視線が痛かった。
悔しさと混乱で涙が滲み、泣けば許してもらえると思ってるところが汚い、などとトドメを刺された。
先生は事を大きくしたくなくて、喧嘩両成敗的なシメをして終わらせてしまった。
私は泣いてしまった羞恥と、クラスメイトの冷たい視線の恐怖で、学校に行くのが嫌になった。
否、もはや外に出るのも怖くなった。
クラスメイトが親に話していたら、道行く誰かに汚い人間だと後ろ指を指されるかもしれない。
それが怖かった。
もう、この街にはいたくない。
誰も私を知らない、遠くの街へ行きたい。
逃げだと言われても構うものか。
誰か、誰か、私を連れて一緒に逃げて欲しい。
布団にくるまって、私は泣いた。
2/28/2026, 11:53:06 AM