「今一番困っていること、相談したい内容をお書きください」
私は問診票を書いてる途中、このような質問を目にし、手が止まった。本当は、沢山ある。しかし、こう言われると何を書けば良いのか分からなくなる。けれど、一瞬深呼吸をしてから、慣れた手つきで私はこう書いた。
「私は、存在する理由が分かりません」
もう慣れたものだ。何回も通院する病院を変え、その度に同じ言葉を書き続けてきたのだから。ペンを持つ手も、心の中の虚無感も、何も変わらない。今までの病院は、私のこの心を完全には理解してくれなかった。だから何度も何度も、場所を変えた。それでも、私が求めてる答えは未だに見つからないままだった。
……ここは、どうだろうか、と思いつつ問診票に最後まで目を通した瞬間だった。目に飛び込んできたのは、これまでの病院で見たことのない、奇妙な質問だった。
「2分間だけ亡くなることができる薬を希望しますか?」
1/25/2025, 3:46:07 PM