私は冬が苦手だ。体育の時間、外周していた私は思った。静止すると風が止むのに動くと待っていましたとばかり私を邪魔する。その風は頬が真っ赤になるぐらい虐めた。
せめて、雪が降ってくれれば気分あがるのにな
地元は、数年に一度雪が降るか分からない中部地方に属していた。私は私立中学校に通っていた為、地方各地から来る級友と過ごしていた。
「私のところ、JR線が止まっちゃって三時間も待ったわ」
級友がパンを齧り愚痴り始めたの思い出した。雪のせいで、交通止めは頻繁にあるらしい。けれど、温暖地域である地元は雪が降ったらそりゃあ大喜び。小学生限定だけどね。
足を交差する度に鼓動が大きくなって行く。外周の終わりはまだ遠い。どれぐらいで終わるの?私は内心悪態をついた。
もし、ここが北海道だったら、地面は白に埋め尽くされ幻想的な風景になって新鮮な雪の上で走ることになる。いや、地元の人から見ればかなり迷惑かもしれない。
今は、後先を見据え現実的思考がついてきたかもしれない。昔は、何もかもが新鮮で美しくて雪が降ったあの日、授業をほったからしにして、雪合戦したのは良い思い出。
ああ、夢中で息を忘れて遊んだあの頃に戻りたい。
外周が終わると、ゆっくりと歩く運動靴に足跡は何も聞こえなかった。今の冬は何も楽しみもない。私は、どうもつまらない人間になったらしい。
「冬の足跡」
12/4/2025, 9:36:11 AM