真っ直ぐ見つめてくるその美しく澄んだ瞳が、まるでこちらの心を見透かしているようで、とても居心地が悪い。
こっちを見るのをやめろ。その純粋な瞳が、俺をとても惨めな気持ちにさせるのだ。
だから殺した。
澄んでいた瞳は濁った瞳に変わった。相変わらず真っ直ぐ見つめてきているが、もう光が宿ることはない。あの瞳に悩まされることはない。
これで安心だ。今日からゆっくり眠れると、本気で信じていた。
それなのに、あの瞳は呪いのように頭から離れなかった。
宝石のように美しく、穢れを知らない、ただ真っ直ぐに俺を見つめる。どこまでも俺の心を捉えて離さないあの瞳。
『澄んだ瞳』
7/30/2023, 8:03:33 PM