John Doe(短編小説)

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コールド・マン


『嵐が起きたようだ』

大都市に住むコヨーテのように、私は孤独だった。
いつの間にか嵐がやって来た。
遠い地球の裏側で、嵐は人々の生活を奪っている。
それでも世界はまわる。
絶えず太陽と月は追いかけっこをする。

『それでも世界は美しい』

私は憂鬱だった。
そして、冷酷。
自分のことにしか興味がない。
他人を思いやる気持ちなど、持ち合わせていない。

『コールド・マン』

孤独は冷酷にさせるのだろうか。
冷酷が孤独にさせるのだろうか。
私にはどうでもいいことだ。

『腹が減った』

夜食は買ってきたまずいサンドイッチとコーヒー。
野良猫の糞尿の臭いがする部屋。
レディオヘッドのベストアルバム。
タバコを吸う。

『特別な存在になりたい』

考えてみたが、人生は退屈なゲームだ。
これといって楽しいことはほとんどない。
それでも社会の奴隷のように奉仕活動。
生きてくため。

『生きてくためさ』

私は、負け組。
少なくとも幸福とは程遠い生活。
私が知らないだけで世の中はもっと悲惨だろう。
死ぬのは馬鹿馬鹿しい。

『死ぬのは馬鹿馬鹿しい』

指をピストルの形に折り曲げて、こめかみを撃つ

3/26/2023, 12:39:04 AM