あるところに、たいそう美しい娘がおりました。
娘は母親を病気で亡くし、父親とふたりで暮らしておりましたが、ある日父親が新しい母親を連れて来て、義理の姉も出来ました。
そして、娘は幸せな家庭と幸せな生活を手に入れました。
しかし、そんな幸せな時間は長く続きませんでした。
いつしか娘は愛の存在を信じられなくなり、ずっとひとりでかまわないと思うようになりました。
でも、きっと心の何処かで愛を探していたのでしょう。
だって、人は一人では生きていけない。
彼女のガラスの靴を拾ってくれたのはだれ?
――あなたが、私の王子様?
シンデレラ 完
一つだけ願っていいのなら…。
決してせまくはない自分の部屋で、ひとりうずくまった。
窓からのぞく空は濃紺で、無数の星がキラキラと冷たく輝いている。
私は、その空を見上げて、ひとつ白い息を吐いた。
かすかに聞こえる車の音、楽しそうな声。
こんなにもこの地球には沢山の人であふれているのに、誰も私の存在に気がつかない。
だれも、私を見つけてくれない。
ねぇ、さみしいなんて。
辛いなんて、言わないから。
一つだけ願っていいのなら、
どうか…どうか……無償の愛をください。
―――私を愛してと、心が叫んでる。
Vol.一つだけ 完
『今日は、シンデレラと一つだけの2つのお話を書かせてもらいました。シンデレラはオリジナルです!
もっと読みたいと思ってくれると、ありがたいです!
みんなが、真実の愛を見つけられますように。』
4/4/2024, 6:32:47 AM