【不完全な僕】フランケンシュタインの怪物。屈強な体、高い知能、優れた心を持つ、完全無欠の人造人間である。ただ一つ、酷く醜い容姿を除いて――ある日、怪物は聞いた。「博士、なぜ僕をこんなにも醜く造ったのですか?」博士の腕なら、怪物は”怪物”とならずに済んだかもしれない。怪物は訝しんだ。「完壁な人造人間を造ろうとしながら、何故不完全な僕を生んだのですか」怪物の口調に怒りとやるせなさが籠もる。博士は怪物の目を真っ直ぐ見て言った―「確かに」
9/1/2024, 9:11:30 AM