お題 ただひとりの君へ
登場人物
神風 ももんが
駅員さん
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「はぁ…………」
電車の中で大きなため息をつく。
今日も1人だ。
終電だからか自分の位置から人が見えない。
早く帰って寝たい。
[次は■■駅、■■駅。お出口は左側です。]
車内のアナウンスが聞こえる。
私の場合は終点なのでまだ乗る。
シューピロンピロン
ドアが開いた。でもやっぱり誰も入ってこない。
こうなると悲しくなってくる。
いつもの事だけど、人の姿が視界にほしい。
瞼が重くなる。疲れていつの間にか眠たくなっていた。
3駅くらい寝させて……。
『…客さ…、……て』
ユサユサ
『お客様?』
「ん……ハッ…………」
どうやら寝過ごしてしまったみたいだ。
「す、すいません。寝過ごしてしまって。」
『そうですか、お疲れ様です。
ここは終点です。』
「あ、はい」
私はてっきり『車庫の中です。』と言うと思ってた。
確かに車庫に入る前は駅員さん絶対見回るよな…()
「迷惑かけちゃってごめんなさい。お金かかりますよね?」
『そうですね。手続き私の方でご案内します。』
「ありがとうございます………。」
いつものホームを歩く。こんなに恥ずかしい思いをしたのは久々だ。
駅員さんに迷惑をかけてしまった……。
『いつも仕事お疲れ様です。よく終電に乗られていますよね。』
「え、知ってるんですか?」
『ええ、見かける頻度が多かったもので。』
駅員さんの顔をよく見る。恥ずかしすぎて目を逸らしまくっていたが、顔なじみの駅員さんだ。
「駅員さんもお疲れ様です。」
『ふふ、ありがとうございます。』
お疲れ様って誰かと言い合えるのは久々でなんだか嬉しかった。
いつものひとりの私は駅員さんからお疲れ様のプレゼントを貰った。
その後ちゃんと運賃+超過運賃を払いました☆
1/19/2025, 10:32:30 PM