あかやま しらひ。

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パッと夢の中で目が覚めた。
自分が誰なのかさえもわからない暗闇の中、夢の中だということだけわかった。

手はついてる、足はある。
ほっぺはつねっても痛くない。

そうやって体を端から確認していると、いきなり一筋の光が現れた。
自分のとこからは少し遠く。
光をスポットライトのように浴びた、真っ白なドアが見えた。
そのドアを見た瞬間、吸い寄せられるようにふらっと立ち上がる。
当分歩いてなかったのだろうか、やけに歩きづらい。
少し遠くに見えたはずのドアがはるか彼方にあるように感じる。
ドアに近づいた頃には、足は動きたがらず、息は過呼吸になるんじゃないかという程にあがっていた。

早く座り込んでしまいたい。

心が折れる寸前、やっとドアノブに手が届いた。
最後の力を振り絞り体重を使ってドアを開ける。
そこで意識が途切れた。

パッと目が覚めた。
こんどは夢じゃない。
自分のことも、周りの人達が家族なのもわかる。
キョロキョロと周りを見回すと、母が目に涙をためた。

見覚えの無い天井。
体に繋がっているだろうたくさんの管。

あぁ、私は助かってしまったのか。

11/6/2022, 3:29:37 AM