俺の理想のりおはもっと俺を愛してくれていた。
でも現実はそうはいかない。
『なぁ、付き合ってよ。』
「無理。」
俺のことは好きでは無いのか?
『こんなのりおなんかじゃないよ……』
「は?」
『俺の知っているりおはもっともっと俺を愛してくれて優しくて何時でもどこでもいっしょで俺と一緒に死んでくれるんだよ?』
「……ぁ?」
りおの声は震えていた。まずいまずいことを言ってしまった。
『ちょ、違、これは、』
「もう無理。」
消えてゆく彼女の声。そして薄れてゆく彼女の背中。
これ程までに美しいと感じるものはあるのだろうか?
5/20/2024, 10:25:55 AM