車を運転する横顔を見ていた。
そうしていたらいつの間にか着いた山奥で、もはや何座流星群だったのかすら覚えていないが、流れ星を必死に目で追っていたのは覚えている。
ただまあ、生憎の天気のせいかあまり見つけられはしなかったが。
流れ星の見れない流星群の夜を、ほんの1時間ぽっち君と過ごした。
今となってはどちらのか分からないが、漏れたため息が帰りの合図だった。
別に、普段星なんて見ない。
興味もない。
どことどこの星が結びついて何座になるだなんて話はどこが面白いのかまるで分からないし、小学生の頃に行ったプラネタリウムではまるっと1時間を睡眠に当てたような覚えがある。
たぶん、明日いきなり星の輝きがパッと消えてもそれに気がつくのは1年ほど後になるだろう。いや、1年後も気がついていない可能性だって大いにありうる。
それでも、この夜だけは。
この日の、君と過した夜だけは。
見えない星をいつまでも追いかけていたいと、神様に願った。
無神論者の僕が、見えない星を追いかけたいと神に願うだなんて都合のいい話だと後になって君は笑った。
確かに、その通りだ。
そう思って僕も笑った。
どこまでもどこまでもあの日の星を追いかけて、あの日の空をめざして、そうして登って行った僕の息は君とおんなじ、真っ白だった。
7/21/2025, 10:33:24 AM