『初恋の日』
夕日がビルの合間から赤く赤く射していたのを覚えてる。君の横顔を真っ赤に染めてその時吹いた風が君の黒く長い髪を靡かせキラキラと輝いて見えた。もぅ〜と楽しげに髪を押さえながらこちらを振り向いた君に僕はどきりとし目を丸くしたまま固まっていた。
「あはは、何その顔?ねぇ晩御飯どこにしようか?」
気まぐれに再び前を向く君の手首を思わず掴めば僕は跪いて
「フレンチ!フレンチレストラン行こう??…それで、その…告白してもいい…かな?」
と……今思えばとても間抜けな質問を真っ赤になりながらしたのだ。夕日に染められて君は気づかなかったと言っていたけど……どうだったのだろう?けれど君も真っ赤だったらしいけれど気づかなかったからおそらくそうなのかもしれない。
「フレンチより、いつもの定食屋に行こう?私緊張しながらご飯するの苦手」
くすくすと笑いながらも優しく僕を見つめる君を今でも思い出す。
「あの、こくは…」
「そういうの、もっと雰囲気大切にするべきだと私は思うな?……まぁそれが貴方なんだけど。していいよ。でもするなら今度景色の綺麗な所でして?」
そう言えば、するりと僕の手を解いて通い慣れた店へと歩みだす君にはい!と返事し僕は犬のようについていくだけだった。
5/7/2026, 3:14:19 PM